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Periodontology・歯周病

歯周病の原因は、口の中に存在する歯周病菌で、歯周病菌の増殖には生活習慣が大きく関係しています。
歯周病菌には口腔内の炎症には歯茎ぎりぎりまで炎症が進んでいる歯肉炎と、顎の骨にまで炎症が進行している歯周炎に分けることが出来ます。よく耳にする歯槽膿漏とは歯周炎の事を指します。
日本人の歯が抜けてしまう一番多い原因が歯周病で、国民の約80%が歯周病を患っている病気になります。歯周病は自覚症状がないため、気づかないうちに病状が進行してしまうため、歯科医院での診察が必要です。
歯茎の炎症
  • 歯茎の腫れや出血
  • 口内がネバネバする
  • 口臭が気になる

歯の周りの骨が溶けたことによる症状
  • 歯と歯の間に隙間ができてくる
  • 歯が緩んできて噛みにくさを感じる
  • 歯並びが変わってきたように感じる
 

口腔内診査

除菌前

除菌後

細菌の種類

歯周病原菌はう蝕以上に多くの細菌が関与しています。以下の5菌種が歯周病と強く関連する菌として分類されています。

Aggregibacter actinomycetemcomitans  Prophyromonas gingivalis  Tannerella forsythensis  Treponema denticola  Prevotella intermedia
 
菌種 疾患
Prophyromonas gingivalis 慢性歯周炎
Tannerella forsythensis 慢性歯周炎
Treponema denticola 慢性歯周炎、壊死性潰瘍性歯周炎、歯周炎
Aggregatibacter actinomycetemcomitans 慢性歯周炎、侵襲性歯周炎
Prevotella intermedia 思春期性歯周炎、妊娠性歯周炎
慢性歯周炎、壊死性潰瘍性歯周炎、歯周炎
Campylobacter rectus 慢性歯周炎
Fusobacterium nucleatum 慢性歯周炎

歯周原因除去治療期における経口抗菌療法(SA)のフローチャート(三辺2011)
※表1の歯周病ハイリスク患者の診断基準に基づき対応。 ※※再建外科、インプラントを含む。
Q-SRP:従来の1/4~1/6顎に分けて1~2か月間でのSRP。
FM-SRP:短期間(1日~1週間以内)でのSRP、局所抗菌薬を併用したフルマウスディスインフェクション(FMD)を含む。
系統名 作用機序 薬剤名 薬剤の特徴
合成ペニシリン 細胞壁
合成阻害
サワシリン、アモキシシリン、
ビクシリン(アンビシリン)
バラシリン(レナンピシリン)、
ベングッド(塩酸バカンピシリン)
広い抗菌スペクトルを有し、Pg、Tf、Piなどの多くの歯周病原細菌に対し抗菌力を示す。
歯周治療のみならず一般的な感染症に対しての第一選択薬となる。
セフィム系 細胞壁
合成阻害
フロモックス(塩酸セフカベンピボキシル)
セフゾン(セフジニル)
オラセフ(セフロキシムアキセチル)
バナン(セフボドキシムプロキセチル)
マクロライド系 タンパク
合成阻害
クラリス、クラリシッド(クラリスロマイシン)
ジョサマイシン、
ジスロマック(アジスロマイシン水和物)
ニューマクロライドではPg、Piなどのグラム陰性嫌気性菌に対する抗菌力が高くなったが、Aaに対する抗菌力はやや劣る。
バイオフィルム破壊および形成阻害作用があり、組織移行性に優れる。
ニューキノロン系 核酸
合成阻害
ガチフロ(ガチフロキサシン水和物)
クラビッド(レボフロキサシン)
タリビッド(オフロキサシン)
Aaに対する抗菌力が強く、侵襲性歯周炎では第一選択となることがある。
非ステロイド性抗炎症薬との併用で副作用があるので注意が必要。
一般的には第二選択薬である。
テトラサイクリン系 タンパク
合成阻害
ミノマイシン(塩酸ミノサイクリン)
ビブラマイシン(塩酸ドキシサイクリン)
アクロマイシン(塩酸テトラサイクリン)
広域スペクトルで広範な歯周病原菌に対して抗菌力を発揮する。
歯肉溝浸出液では血中濃度より高い薬剤濃度が得られる。
コラゲナーゼ活性抑制作用がある。

歯周病菌検査

Bnaperio・バナぺリオ
Prophyromonas gingivalis・(P.ジンジバリス)
Treponema denticola・(T.デンティコラ)
Tannerella forsythia・(T.フォーサイス)

この3菌種が持つBANA分解活性(N-ベンゾイル-DL-アルギニルペプチダーゼ活性)を検出することにより、これら3種類の菌の存在を調べることができます。

 

口臭検査

Oral Chroma・オーラルクロマ
H2S・硫化水素
CH3SH・メチルメルカプタン
(CH3)2 S・ジメチルサルファイド

お口の中の気体をシリンジで採取しガスクロマトグラフにかけることにより、以下の3種類の口臭のもととなる気体を分析し、その量とともにグラフ化します。

 

歯と口腔の清掃

スケーリング

ルートプレーニング

歯周外科

病状によっては歯周外科処置を行います。